富山県氷見市の氷見魚ブランド対策協議会の判定委員会は20日、ブランド魚「ひみ寒ぶり」のシーズン終了を宣言した。今季の水揚げは2013年度以来11季ぶりに6万本を超え、累計6万9351本は制度が始まった11年度以降で2番目に多かった。今後もブリ漁は続くため、観光関係者は「誘客に向け、PRしていく」と話す。

 ひみ寒ぶりは、氷見漁港に水揚げされる氷見市と石川県の七尾市、能登町のブリのうち品質の良いものが対象。認定基準を6キロ以上から7キロ以上に引き上げた今季は、昨年11月20日に出荷開始が宣言され、需要が最も高まる年末までに5万本に達した。年明け以降も千本前後の水揚げが連日続き、今月9日に6万本を超えた。

 20日は650本が氷見魚市場に並んだ。判定委員会は水揚げ本数などを総合的に判断し、シーズン終了を決めた。

 氷見漁協の担当者は、今季はブリが北海道から南下してくる際、新潟県の佐渡などの定置網漁や上越沖の巻き網漁であまり取られず、富山湾や福井県の若狭湾で豊漁になったと説明した。今後の水揚げを含む総漁獲量はまだ見通せないが「近年では上位に位置する豊漁」との見方を示した。

 氷見市北大町のひみ番屋街では出荷開始以降、前年を上回る観光客の入り込みが続いた。運営する氷見まちづくりの尾町和広取締役事業部長は「ブリはまだまだ取れている。氷見のブリを十分に楽しんでもらえるよう、しっかりPRしていきたい」と話した。