スノーボード女子のビッグエアを初制覇し、スロープスタイルでも3位に入った村瀬心椛(21)=TOKIOインカラミ=は大躍進のミラノ・コルティナ冬季五輪を戦い終えた翌日、インタビューに応じてくれた。
競技普及への情熱を人一倍抱くが故に、これまでの葛藤も大きかったと明かす。五輪の裏側と、「消えるのが怖い」と語る真意とは。(聞き手 共同通信・山本駿)
▽脳振とうになっていたかも…
最初の種目となった女子ビッグエア決勝。暫定3位で迎えた最終3回目に、かかと側のエッジで踏み切って斜め軸に縦3回転、横4回転する「フロントサイドトリプルコーク1440」を決め、スノーボードの日本女子で初の金メダルを手にした。
「正直、決勝まではめちゃくちゃ不安でしかなかった。1440をやらないといけないのになかなか決まらず、ものすごく怖かった。実は、練習2日目には1440で思い切り転倒して頭を打ち、ヘルメットが割れてしまった。割れていなかったら(衝撃が分散せず)脳振とうになって、試合に出られなかったかもしれない。その後も本当にできるのかと、ずっと部屋で動画を見返しながら復習していた。最後まで諦めずに大会に挑めて本当に良かった」
▽「スロープは2人で」誓い合った深田が金
2種目目のスロープスタイルはらしさ全開の圧巻のランを見せたが、2・03点の3位で惜しくも2冠に届かなかった。
「初めて金メダリストとして迎える予選の1回目はかなり緊張した。決勝は本当に全てを出し切ったので、時間がたてばたつほど悔しい。動画も少ししか見返せていない。今までのワールドカップ(W杯)では、あそこまで減点されることはなかったが、(得点は)ジャッジが決めることで、みんな一生懸命やっているので誰も悪くない。逆に頑張るきっかけにもなった。絶対王者になって戻ってきたい」
悔しさを抱えながら、すぐに優勝した深田茉莉(ヤマゼン)に駆け寄り「頑張ったね」と祝福。ビッグエアで9位だった後輩とは、ハーフパイプ決勝をテレビで見ながら食事を共にし「スロープは2人で絶対にやってやろう」と鼓舞したと聞いた。
「ビッグエアから切り替えた茉莉を本当に尊敬する。完璧なランを決めた茉莉がすごいと思った。『心椛ちゃんがチームにいてくれて良かった』と言ってくれた瞬間に涙が出てきた。私も茉莉がいるから頑張ろうと思えるし、チームに茉莉がいてくれて良かった」
▽こんなに日本人が活躍してるのになぜ?
ハーフパイプも含めて、日本男女は今大会で「金」4個を含む計9個のメダルを獲得。日本国内でも大きな盛り上がりを見せている。