先の衆院選で11人が当選した「チームみらい」。初議席を得た昨年の参院選に続き急伸した理由は何か。一つは、各党がこぞって訴えた消費税減税に唯一反対したことだ。消費税減税を掲げた他の政党を無責任と感じた有権者の心をがっちりつかんだ。安野貴博党首(35)は消費税減税を超党派で議論する「国民会議」への参加を前向きに検討しており、批判一辺倒でない姿勢はさらに存在感を高める可能性がある。安野氏が選挙期間中に繰り返し発信したあるメッセージも支持獲得の一助となった。その中身とは―。(共同通信=恩田信吾、川嶋大介、高木亜紗恵、赤羽柚美)
▽AIエンジニア出身、小説家の顔も
「いよいよ国会が始まるということでわくわくしている。今日から議員バッジを着けて仕事ができる。いただいた身分の重さをしっかりかみしめて仕事をしていきたい」。特別国会が召集された18日、初当選したみらいの古川あおい氏(34)=比例九州=は議事堂を背に笑顔でこう語った。巨大与党とどう対峙するかとの質問には「もともと他の党とも協力できることはしていくという立場でやっている。自民党さんとも協力できることはし、違うと思うところは議論していく」と強調した。
元IT会社役員の峰島侑也氏(35)=比例東京=も「おのおのの政策について是々非々で臨んでいきたい」と抱負を語った。
党首の安野氏はもともと人工知能(AI)エンジニアだった。小説家の顔も持ち、SF作品を出版したこともある。石丸伸二氏や蓮舫氏も出馬した2024年の東京都知事選に無所属で立候補し、得票5位と健闘したことで注目されるようになった。昨年5月にみらいを設立し、直後の参院選で比例代表の1議席を得て安野氏が初当選。得票率で政党要件を満たした。テクノロジーを使って政治の透明化や民意の反映を進める「デジタル民主主義」が政策の柱だ。
安野氏は参院選後に早速、国会のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などを議論する超党派の勉強会を発足させ、代表に就任。政治資金の収支が項目ごとに一目で分かるツールを開発し、他党の議員も利用できるようにした。
▽自民・中道は「無責任」、地方の演説でも声援
衆院選では、消費税率は維持し社会保険料を引き下げると主張。子どもの数に応じた子育て減税、AIや自動運転といった成長産業への投資、デジタルを活用した政治資金の透明化を公約に掲げた。
立候補した14人は東大卒など高学歴が多く、エンジニアやコンサルタントといった経歴が目立つ。最大の特徴は若さで「平均年齢は30代」とアピールした。