俳優の市川実日子が、テレビ岩手制作の旅番組『未来へつむぐ、手しごとの旅~市川実日子、盛岡と出逢う~』に出演する。放送は19日、午後7時から午後7時56分まで。舞台となるのは、米紙ニューヨーク・タイムズにも紹介され、国内外から注目を集める岩手県盛岡市だ。
ドラマや映画で存在感を放つ市川が、旅番組の旅人を務めるのは珍しい。今回の旅では「ずっと訪れたかった」という盛岡を訪れ、土地に根付く伝統的な手しごとの現場を巡る。市川は「出演のお誘いを頂く直前に、偶然にも盛岡の手しごとについて調べていたので、うれしいご縁を感じた」と語り、思いが重なって実現した旅となった。
旅の始まりは、盛岡市民の台所として親しまれてきた神子田朝市。明治時代初期にさかのぼる歴史を持ち、暮らしを支えてきた場所で、人々の日常に触れる。続いて訪れるのは、宮沢賢治が名付けたとされ、「東北民藝の聖地」とも呼ばれる工芸品店・光原社。市川は民藝の魅力を体感していく。
今回の旅の大きな目的は、「漆のうつわ」「南部鉄器」「伝統さんさの花笠などを作る工房」という3つの手しごとの現場を訪ねること。親から子へと受け継がれてきた技術やデザインが、時代に合わせて変化していく様子を見つめる。
南部鉄器の現場では、城下町の風情が残る盛岡市紺屋町を訪問。3代目としてフィンランド滞在の経験を持ち、北欧デザインの影響を受けたモダンな鉄器で注目を集めた宮伸穂さんと、跡を継ぐ決意をした4代目の正太朗さん親子に話を聞く。
番組ではこのほか、盛岡城跡公園で開催されている『北のクラフトフェア』の発起人で、選考委員を務めるデザイナーの皆川明さんも取材。作り手たちが磨き上げてきた技術や、ものづくりに込めた思いに迫る。
旅を終えた市川は「盛岡で南部鉄器をはじめ、ものづくりの現場を訪ね、この街に暮らす方々のお人柄に触れて、『豊かさ』とは何なのか考え、感じることができた」と振り返り、「またすぐに訪れたい、美しい街。岩手・盛岡を一緒に旅するように楽しんでもらえたらうれしい」とコメントしている。
同番組はテレビ岩手で放送される岩手ローカルの単発番組で、このほか日本テレビ系列13局でも順次放送予定としている。