上市町出身のアニメーション監督、細田守さんが監督・原作・脚本を務めた「果てしなきスカーレット」が21日、公開される。県出身監督の作品を公開初日に早速鑑賞する人や、この週末に映画館に出かける人も多いのでは。作品をより深く楽しんでもらうため、細田監督のインタビューを紹介する。(聞き手・飯野真衣香)

最新作「果てしなきスカーレット」について語る細田監督=東宝本社
上市町出身の細田守監督が手がけ、21日に公開される「果てしなきスカーレット」のメインカット (c)2025 スタジオ地図

―16世紀末のデンマーク王女・スカーレットは、父親を殺し王座に就いた叔父・クローディアスへの復讐(ふくしゅう)を果たすため「死者の国」で旅をする。脚本の下敷きは、シェークスピアの四大悲劇の「ハムレット」。原作も、父親を殺されたデンマークの王子・ハムレットが復讐を誓う内容だ。

 復讐劇は、憎むべき敵を倒し爽快な気分になるという点で映画業界でも王道のジャンルです。ただ、憎き相手はどちらか一方が許さないと、復讐は永遠に終わりません。まさに「果てしなき」です。さらに言えば復讐劇の怖い部分は、復讐心をずっと抱え復讐に人生を使い続けるところです。果たして人生それで終わらせていいのか―。

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