四十物昆布(富山県黒部市生地中区)の四十物直之会長は12日、同市コミュニティセンターで講演会を開き、石川県輪島市の経済団体のメンバーに「昆布と北前船」について解説した。

 輪島市が北前船の寄港地だったことから、同団体が研修旅行の一つとして四十物会長に講演を依頼した。

 四十物会長は1639年に加賀藩が開発した西廻(まわ)り航路の寄港地「三津七湊(さんしんしちそう)」に富山市の岩瀬地区と輪島市が入っていることを紹介。北前船は「海に浮かぶ総合商社」だったと言い「船頭の目利きで貿易し、ばく大な富を築いた」と語った。

 さらに、昆布を積んだまま太平洋で遭難した北前船「長者丸」は、薩摩藩に昆布を運ぶ途中だったと説明。薩摩藩は琉球を経て清に昆布を密貿易して国力を高めたとし「その富が明治維新につながった」という見方を紹介した。