富山県の高岡市万葉歴史館は、明治の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に焦点を当てた特別企画展「小泉八雲と万葉集」を開いている。市出身の挿絵作家、佐竹美保さんが絵本「ゆきおんな」で手がけた挿絵の原画も展示している。12月1日まで。

 ギリシャ生まれの八雲は日本文化に関心を持ち、来日して日本の伝統文化や民話の魅力を海外に伝えた。「怪談」「神國日本」などの著書がある。企画展では、八雲の生い立ちや影響を与えた人物、八雲の蔵書を集めた「ヘルン文庫」が富山にできた背景、万葉集との関わりなどをパネルで解説している。

 佐竹さんの原画は、八雲が「怪談」で再話したことで知られる民話「雪女」にちなんで企画。20点を期間に分けて展示し、未公開作品もある。佐竹さんは「高岡で雪を経験したからこそ描けた景色がある。雪の美しさや怖さ、空気を感じてほしい」と話している。