21日の富山県内は寒気や気圧の谷の影響で、曇りとなった。未明から明け方にかけて気温が下がり、最低気温は県内全10観測地点で今季最低を記録した。富山地方気象台によると、上市は9・4度、富山市八尾は9・9度で10度を下回った。
南砺市の福光、城端両地域では、特産「あんぽ柿」の生産が本格化している。21日は乾燥棚につるされた柿が、オレンジ色のカーテンのように連なった。
あんぽ柿は両地域の干し柿生産者のうち、約50戸が手がけている。生産工程期間は干し柿より15日ほど短く、半生状態で軟らかい。
同市大塚の山田恭一さん(68)方では、妻のゆかりさん(62)らが、皮をむいた渋柿「三社柿」のへたに糸を結んで竹ざおにつるし、棚に掛けた。富山干柿出荷組合連合会によると、猛暑の影響が懸念されたが、実の大きさや作柄は例年並みという。
県内には11月2日ごろから店頭に並ぶ。あんぽ柿は前年比25%増の100万個、「富山干柿」は同22%増の220万個の出荷を見込む。台湾や香港、カナダのほか、今季初めて米国への輸出も予定し、富山干柿を含めた輸出額は過去最高の1億円を目指す。