富山県高岡市は市役所本庁舎の整備を巡り、出町譲市長は3日、2034年度の新庁舎完成を目指すとして前市長時代の2月に市が公表した「新庁舎整備ロードマップ(行程表)」を白紙撤回する意向を示した。同日の市議会本会議で「現庁舎活用の可能性が十分に検討されていない」、「市民の思いを反映したものでない」などと述べ、再検討への意欲を強調した。
水口清志氏(同志会)の代表質問に答えた。市役所本庁舎(同市広小路)は1980年に完成。老朽化が進み、一部は現行の耐震基準を満たしていない。これを受け、市は2月に新庁舎整備の行程表を公表。「34年度の完成、35年度の業務開始を目指す」とし、整備手法や立地は27年度末までに決めるとしていた。
水口氏は行程表について「デジタル化や求められる環境性能への対応、災害に対応する職員の安全確保の必要性から前市長が作った。今後どのように展開していくのか」とただした。
出町市長は「庁舎の在り方については市民の皆さんを巻き込んだ議論が不可欠。検討の進め方も抜本的にチェンジしていきたい」と述べた。