JR氷見駅近くのコミュニティースペース「ひみりべ。」(富山県氷見市伊勢大町)は10日、高校生が企画した小学生向け体験イベント「おしごとミニミニフェスタ」を開いた。花屋、消防士、先生、魚さばきなど九つの体験ブースを設け、高校生が自ら児童たちに職業の内容ややりがいについて指南した。
「ひみりべ。」は、高校生の「第三の居場所」として機能しており、生徒自身が運営する「高校生カフェ」を開くなど、高校生の自主的な活動を支援してきた。今回のイベントは、施設に通う氷見、富山国際大付属の両校生徒7人が「体験をキーワードに、大人と高校生、児童をつなぐことができれば面白い」と企画した。4月から地域を回って各業種の仕事内容を教えてもらったり、自分たちで調べたりして準備してきた。
「魚さばき」コーナーでは、釣りが大好きで漁師の知り合いも多いという氷見高2年、中田輝(あきら)さん(17)が子どもたちにサバの三枚下ろしを指導。中田さんは「氷見で暮らすには魚は欠かせない食材。いかにおいしく食べるかを知る第一歩にしてほしい」と話した。
イベントには氷見消防署をはじめ地元の花店や靴店が協力。企画した生徒の代表、富山国際大付属高3年の瀧川真世(まよ)さん(17)=富山市=はにぎわう会場を眺め、「高校生世代が地域と結び付きを深めるとともに、児童が将来を考えるきっかけにもなる。続けていけたらいい」と笑顔を見せた。
「ひみりべ。」を運営する一般社団法人「D-live」代表理事で、氷見高地域学習支援員の西田朱里さんは「イベントを通じて、子どもたちが古里に愛着を感じ、将来、地元で働こうという思いにつながればうれしい」と話していた。