トレイルランナーで富山県上市町の地域おこし協力隊員、塚本寛章さん(28)=愛知県出身=が、トレイルランの世界選手権の日本代表入りを目指して挑戦を続けている。9月に代表選考を兼ねた大会を控える中、9日から強化合宿を町内で始めた。

 証券会社で働いていた塚本さんは富山市に3年間赴任。広島県に転勤後、昨年10月に上市に移り住んだ。「剱岳の麓から世界へ」を掲げ、上市の峠道やトレイルコースで毎朝20キロ近くを駆け抜けるなど、豊かな山岳環境で充実した練習に取り組む。地域づくりに貢献するため、上市を舞台にした本格トレイル合宿も計画中という。

 代表選考会を兼ねた「ゴールデントレイルナショナルシリーズ(GTNS)ジャパン」で、7月にあった第2戦で6位入賞。現時点で全体10位は自身の過去最高だ。GTNSはポイント制で全3戦。上位3人が日本代表に選ばれ、9月8日に長野県白馬村である最終戦で上位に入れば、選出の可能性が高まる。

 合宿は2日間で、走行距離100キロ、累積標高約5千メートルの過酷な内容。ランニング仲間である特別支援学校教員、高田樹さん(32)=射水市松木=と共にトレーニングに励む。9日は峠走30キロやトレイル・ロード走25キロ、ジョグ10キロなどをこなした。大岩山日石寺での滝行なども交えた。

 目標とする「GTNSワールドシリーズ」は世界トップレベルの選手が競い合う。国内の選考会を勝ち抜けば、10月にイタリアで開かれる最終戦に出場できる。

 塚本さんは「上市の環境が結果につながっている。世界に挑戦するチャンスを生かしたい」と意気込む。