飼い犬に運動の機会を提供して健康になってもらおうと、富山県内では珍しい全天候型ドッグ専用プール「sync(スィンク)」が今月、富山市山室にプレオープンした。運営側は水泳だけでなく、食事や美容までトータルで指導し、ヘルシーでハッピーなドッグライフを提案する。

 オーナーの次社(じしゃ)崇行さん(50)は、市内でドッグサロン「brico(ブリコ)」を経営する。運動不足解消や病気でリハビリが必要なのに、飼い主が気付いていない犬がいることを気になっていたという。

 そこで今年2月、米ウィスコンシン州ミルウォーキーにある犬のアクアセラピー専門学校で5日間のトレーニングを受け、犬の心身ともに健康を維持するうえで、水泳が大きなメリットがあることを学んだ。

 日本にはドッグプールがほとんどなく、早速県内で施設の建設に着手。今月15日にプレオープンした。縦6メートル、横3メートル、深さ1・2メートル。水温は30度前後。必ず専用の救命胴衣を着用させる。次社さんらトレーナーが一緒に入水し、犬の負担にならないよう約20分間泳がせる。

 19日はゴールデンドゥードルという犬種の雄で名前が「マーフィー」という大型犬を受け入れた。市内の飼い主によると、これまで水泳体験はないといい、最初は戸惑った様子だったが、すぐに水に慣れた。数分もたつとすいすいと水をかいた。見守る飼い主は大喜びだった。次社さんによると、老犬の足腰の強化や健康寿命の延長にも効果があるという。

 市内の動物病院とも提携し、健康不安があれば対応してもらうほか、食事指導などもできるという。次社さんは「泳がなくても水の中に入っているだけで効果はある。犬が心身ともに健康なことは飼い主にとってもいいことなので、ぜひ体験してほしい」と話す。

 本格的オープンは8月11日。料金は犬の体重別に設定。会員以外は1万6300円から。問い合わせは076(413)6477。