自民党富山県連の橘慶一郎会長(64)=衆院議員、官房副長官=と宮本光明幹事長(66)=県議=は、参院選富山選挙区で現職候補が落選した責任を取り、辞任する意向を固めた。宮本氏が22日の役員会で、公務のため不在の橘氏の辞意と合わせて伝えた。県連は23日の常任総務会で、受け入れるかどうかを含め対応を協議する。 

 県議事堂での会合後に宮本氏が取材に応じた。22日朝に橘氏と電話で話し「職を辞して責任の所在を明らかにしたいとの思いで一致した」と説明。県連所属の県議でつくる常任総務会を開き、辞職の取り扱いを話し合うことで了承を得た。

 役員会の出席者によると「選挙戦の総括を優先すべき」「地域支部の声も聞いてはどうか」といった意見が出されたという。

 富山選挙区では20日の投開票の結果、3選を目指した現職の堂故茂氏が7967票差で、国民民主党新人の庭田幸恵氏に敗北した。堂故陣営の選対で橘氏が総括責任者を、宮本氏が本部長をそれぞれ務めた。

 県連会長は在職歴の長い国会議員が就くのが慣例。野上浩太郎参院議員(4期)が党派閥の政治資金パーティー裏金事件に伴い2024年2月に会長職を引責辞任し、当時衆院5期の橘氏が後任に選ばれた。

 宮本氏は20年11月に幹事長に就き、直前の知事選で分裂した組織の再建に注力。24年知事選で現職の新田八朗氏を推薦し、二つに分かれた県議会会派を今年4月に合流に導いた。