富山県黒部市浦山地区の防災訓練が28日、浦山交流センターで行われ、地区住民らが緊張感を持って災害時の対応を確認した。昨年設置された緊急初動班が迅速に同センターを解錠したほか、防災士を中心に住民が連携して避難所の開設訓練などに取り組んだ。
28日午前7時半、魚津断層帯を震源とする地震が発生し、浦山地区で震度5強の揺れを観測したと想定。同40分には地区に住む市職員でつくる緊急初動班が避難所の同センターに到着。暗証番号を入力して鍵を取り出す「スマートロック」を使って解錠した。
午前8時ごろ、同センターには約100人が集まった。防災士が受付で体調不良者や避難行動要支援者らを確認し部屋を振り分けた。その後、住民同士で協力しながらパーティションや簡易ベッドなどを設置した。AED(自動体外式除細動器)を用いた応急処置法の確認や消火、炊き出しの訓練などもあった。
同地区では毎年この時期に防災訓練を実施している。能登半島地震の際も避難所での大きな混乱は見られなかったという。同地区自治振興会長の岡田常男さん(78)は「1年に1回の勉強会。声かけを徹底し、スムーズに訓練ができた」と話した。