富山県黒部市の宇奈月温泉街が「ジャズの町」として注目されている。同市芸術創造センター・セレネ(同市宇奈月温泉)で演奏会が開かれたり、町のあちこちで音楽イベントが行われたりしている。有名アーティストが聴きに訪れることもある。仕掛け人でセレネ職員の飯田浩子さん(55)は「ジャズに触れ、楽しむきっかけにしてほしい」と語る。

 飯田さんがジャズに触れたのは小学生の時。ラジオから流れる音楽に心を奪われ「クラシック音楽にはない即興性に感動した」という。セレネの企画制作担当となって「地域の個性を創造したい」と思い、目を付けたのがジャズだった。8年ほど前からジャズ関連のイベント開催などに取り組み、地域の活性化につながるとして地元も歓迎する。

 セレネのホールは客席とステージとの距離が近く、ジャズにはもってこいという。北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅があるため県内外からの集客もしやすい。ステージを求めるアマチュアも多く、出演者探しに苦労はなかった。

 月に1度、ライブを催しているほか、2022年からは町じゅうで演奏が聴けるイベントを開催。首都圏から来る人も増え、メジャーデビューしたミュージシャンが訪れることもある。

 温泉街とあって宿泊施設は多く、交流人口の増加は町の活性化につながる。飯田さんは「プロによる体験型教室を拡充するなどして『ジャズといえば宇奈月』というムードをつくりたい」と意気込む。

15日にイベント、プロアマ14組出演

 県内外のプロやジャズ愛好者が演奏を披露するイベント「スパ・ジャズ・ウナ2025初夏」が15日、黒部市の宇奈月温泉街で開かれる。

 会場は湯めどころ宇奈月総湯と富山地方鉄道宇奈月温泉駅前、同市芸術創造センター・セレネで、午前10時から午後3時ごろまで14組51人が演奏を披露する。

 観覧は無料。総湯とセレネではますずしや地ビールの物販コーナーも設ける。セレネ主催、北日本新聞社後援。