第57期北日本将棋名人戦の名人位決定3番勝負が8日、北日本新聞社で行われた。前期名人の荒木優太郎さん(26)=富山市五福、公務員=が挑戦者で北日本将棋永世名人の中平寧さん(39)=同市北代新、会社員=を連勝で下し、初防衛を果たした。日本将棋連盟富山支部主管。
持ち時間各1時間、秒読み1分で指された。両者が名人戦の3番勝負で対局するのは5度目。
第1局は中平さんの先手で始まり、相穴熊の戦型となった。難解な局面が続いたが、荒木さんが穴熊の守りの堅さを生かしてリードを広げ、108手で制した。第2局は角換わり腰掛け銀の戦いになり、序盤から激しい展開となる中、荒木さんが中平さんの粘り強い攻めをうまくかわしながら寄せ切り、155手で勝負を決めた。
初防衛を果たした荒木さんは「コンディションがあまり良くなくて不安だった。最後まで集中力を切らすことなく、気負わずに指せた」と喜んだ。中平さんは「満足のいく将棋を指すことができた。ベストは尽くせた」と話した。