県環境科学センター(富山県射水市中太閤山)は7日、センター内を一般公開した。液体窒素で凍らせたバナナを使ったくぎ打ちや、AR(拡張現実)を活用した浸水体験コーナーを設けたほか、南極へ行った職員の講演もあり、親子連れが科学の面白さや環境保全の大切さを学んだ。

 子どもたちは、容器に入った液体窒素にくぐらせて凍ったバナナを手にし、木の板にくぎを打った。普段は軟らかいバナナが、硬いくぎに強い力を加えてもびくともしない様子に驚いていた。同市南太閤山の尾下晴紀ちゃん(5)は「くぎはうまく打てなかったけど、バナナが硬くてびっくりした」と話した。

 ARを活用して浸水を体験できるコーナーでは、親子連れがタブレットを見ながら浸水エリアに見立てたコースを歩いた。タブレットには床が浸水した映像が表示され、透明な水と濁水で歩きにくさを比べ、水深の違いで自分の体がどこまで水に漬かるかを確かめた。

 第66次南極地域観測隊の夏隊員として、2024年12月下旬から25年2月上旬まで、昭和基地で大気に関する研究プロジェクトの始動に関わった同センター職員の木戸瑞佳さんも講演した。基地での活動や食事、日本で見える星空との違いを紹介し、南極の氷も展示した。

 放射線測定や環境について学べる工作コーナーも人気を集めた。