富山県南砺市の越中五箇山こきりこ唄保存会(岩崎喜平会長)が5日、大阪・関西万博会場で、日本最古の民謡とされる「こきりこ」を披露した。素朴で郷愁を誘う唄や踊りを届け、大勢の観客を魅了した。
こきりこは、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る田楽として五箇山地域で歌い継がれている。
地域に根差す伝統を次世代に伝える「伝統文化未来共創プロジェクト」の一環で、岩崎会長をはじめ保存会の15人が出演。演じ手がささらを小気味よく鳴らしながら舞う姿に、舞台を囲んだ観客が見入った。英語で解説したほか、来場者にささらを鳴らす体験を楽しんでもらった。
こきりこの楽曲は、万博の開会式でのパフォーマンスに用いられ、岩崎会長(74)は「皆さんに“本物”を見せられる機会を与えてもらい感謝している。次の世代にしっかり伝承していきたい」と話した。
8月には、南砺市内の小中高生が万博でこきりこを披露する予定。