富山市は、市内のすし店にガラスで作った皿や冷酒グラスを提供し、すしとともに「ガラスの街とやま」をアピールする。2日発表した一般会計補正予算案に関連費用671万円を計上した。市内を訪れる国内外の観光客が増える中、「すしのまちとやま」事業と連動して富山ガラスのブランド価値向上を図る。

 市内のすし店10店舗に、すし用の皿8枚、冷酒グラス8個、片口2個を提供する予定。富山ガラス工房(同市古沢)の作家を中心とした10人が1店舗ずつ担当し、店に合わせた器を制作する。店内広告にQRコードを掲載し、来店者がその場で器をネット注文できるようにする。

 ますずし店との連携も進め、ますずしにちなんだガラス作品の企画展を開催するほか、ガラスの器で数種類を食べ比べるイベントを実施する。

 市は富山ガラスとすしをコラボさせた取り組みを進めてきた。ガラス工房でガラス製のすしを制作する体験はSNS(交流サイト)で話題となったほか、すしをデザインしたガラス製の根付け入りカプセル玩具の販売も好評だった。

 市内では、米紙ニューヨーク・タイムズの「2025年に行くべき52カ所」に選ばれたことも追い風に、インバウンド(訪日客)を含む観光客が増加している。市文化国際課は「市や県がPRするすしと一緒に、富山ガラスの認知度を高めたい」と意気込む。