任期満了に伴う富山市長選は20日投開票され、現職の藤井裕久氏(63)=無所属、婦中町千里=が10万6515票を獲得し、新人で団体職員の染谷明子氏(47)=無所属、中島=を大差で破り、再選を果たした。任期は24日から4年間。
藤井氏は自民、公明、立憲民主、国民民主の各党の推薦を受け、支持基盤を固めた。選挙戦では豪雨災害や能登半島地震からの復旧・復興、最新技術を活用したスマートシティー政策などを掲げ、市議選候補とも連動して幅広く支持を呼びかけた。
染谷氏は共産の推薦を得て、藤井市政からの転換を訴えたが、得票は3万4536票にとどまった。
藤井氏「市政を前に進める」
富山市桜橋通りのホテルグランテラス富山の特設会場では、午後7時すぎから藤井氏の支持者が訪れ始めた。同8時に「当選確実」の一報が入ると、「おおっ」という歓声や大きな拍手が起きた。直後、妻の薫さん(58)と共に姿を見せた藤井氏は、支持者に頭を下げて謝意を伝えながら、にこやかな表情でステージに上がった。
マイクを握った藤井氏は、能登半島地震からの復旧・復興やスマートシティー政策など2期目に力を入れたいことを話し、「公約達成のため市政を前に進める。『幸せ日本一とやま』を皆さんと共につくっていく」と力強く宣言した。
藤井氏の任期は4月24日から4年間。21日午前10時から市役所で当選証書付与式が行われる。
染谷氏「支援の輪が広がった」
染谷氏は、20日午後10時ごろに富山市下冨居の事務所に姿を見せた。「共に戦ってくださった皆さんに心から感謝したい。政治経験のない一般市民だったが、支援の輪が広がった」と述べた。広瀬妙子選対本部長が「給食費無償化など、暮らしやすい市の実現を目指して運動を続けていく」と話した。【21日午前2時更新】