大西洋の島国バハマ船籍のクルーズ船「シーボーン・クエスト」が7日、高岡市の伏木富山港に初寄港し、欧米豪を中心とした乗船客が県内外の観光地を巡った。2025年に同港に寄港予定のクルーズ船は過去最多となる8隻で、今回の船が第1弾。市は「セールスの一定の成果が出ている」とし、引き続き船社へのアピールや、訪日クルーズ旅客の満足度向上に努めていく考えだ。

 船は全長198メートル、幅26メートル、重さ3万2千トン。米国の船社が所有する。14泊15日の日程で横浜や広島、韓国・釜山など10カ所を巡るツアーの一環で寄港した。

 乗船客数は約450人で、うち400人ほどが下船した。午前9時半過ぎにツアーバスやタクシーに乗り込み、瑞龍寺や富山城、南砺市の五箇山、金沢市などへ出掛けた。米ワシントンから訪れたデイブ・トミーさん(73)、テリーさん(73)夫婦は高岡古城公園や高岡大仏を観光したといい「桜がとても美しくて感動した」と笑顔を見せた。

 船は夕方出港し、次の寄港地の山形県酒田港へ向かった。

 市は港を管理する県とともに、国内外の船社に向けたクルーズ船の誘致活動に励んでいる。市みなと振興課によると、活動成果は3~5年後に表れるとし、継続したアピールが重要とみる。船の旅行客は、目的地が明確な陸路での観光客と行動パターンが異なるとも指摘し、「それぞれの特性を理解し、さらなる観光振興につなげたい」と話した。