富山県氷見市の泉の杜(もり)自治会が、公民館敷地内に防災井戸を設置した。能登半島地震で市内全域が断水した教訓を踏まえ、万一の際の水源とする。完成式が30日、同市上泉の現地であり、井戸を使用した自主防災訓練も行って防災意識を高めた。
泉の杜は高台に広がる住宅団地で157世帯が暮らしている。昨年の地震を経て住民の防災意識が高まり、昨年10月から深さ40メートルの井戸を掘った。ポンプで水をくみ上げるため停電に備えて発電機も購入した。
公民館で開いた完成式には住民約30人が集まり、義浦実自治会長(67)が設置の経緯などを説明した。住民から募った愛称は「備えの泉ミン」に決まり、作者の阿尾香花さん(17)を表彰。看板と井戸を除幕した。
自主防災訓練では井戸水を試飲し、防災テント設営や発電機の操作を行った。義浦自治会長は「防災井戸の設置で高まった住民の防災意識を維持していきたい」と話した。