作業用手袋メーカーの勝星産業(富山県南砺市井波)は、香川大の学生のデザインを採用し、ユニークな軍手を商品化した。軍手の甲に白ヤギの親子の顔が描かれ、軍手をはめて草むしりするとヤギが草を食べているように見える。21日から香川県内で販売され、提案した学生は「面倒な草むしりを親子で楽しんでほしい」と話している。
デザインしたのは、香川大創造工学科造形・メディアデザインコースを今月卒業した加藤音奈さん(23)。2023年に勝星産業でインターンシップ(就業体験)に参加した際、デザイン性のある軍手が少ないことに着目し、ヤギが草を食べているように見える軍手を考案した。今回は、卒業制作としてデザインを再考し、親子で草むしりを楽しめるよう、親ヤギ(大人用Mサイズ)と子ヤギ(小学生低学年用)のペアにした。
人の手の形に添うデザインで、綿素材の軍手に塩化ビニール樹脂で顔を描き、ピンクやベージュで滑り止めを付けた。
2月に開かれた南砺市のビジネスアイデアコンテスト「なんチャレ2024」大学生の部に応募し、最優秀賞に輝いた。
香川県に本社を置くホームセンター「西村ジョイ」が今月21日から、同県を中心にした9店舗で1500セット(1セット798円)を販売している。
加藤さんは「『どっちが草をたくさん食べられたかな』と会話しながら親子のコミュニケーションの時間にしてほしい」と話した。
勝星産業の西村正浩営業部長は「私たちでは思いつかないデザインで新鮮だった。デザイン力が課題となる中、若い社員の刺激にもなった」と振り返る。同社は香川での売れ行きを踏まえ、全国での販売を検討する。