南砺市は24日、市内のタクシー会社5社との共同で公共ライドシェア「なんモビ」の本格運行を始めた。タクシーを優先的に配車し、タクシー会社と共存しながら住民やビジネス・観光客の移動の足を確保する。国の制度に基づいた自治体とタクシー会社による共同運行は全国で初めて。同日はJR福光駅前で出発式を行い、関係者が全国のモデルとなる取り組みに期待を寄せた。(中田真紀)

 南砺市版の公共ライドシェアは、タクシーを手配できなかった場合、登録しているドライバーに依頼が入る仕組み。利用者は専用のアプリで配車予約する。市は、石川県小松市と運行システムを共同開発してきた。

 出発式で、田中幹夫南砺市長が「素晴らしい仕組みができた。全国に展開していきたい」とあいさつ。国土交通省の鶴田浩久物流・自動車局長が「全国に同じような公共交通の悩みを抱えている自治体は多い。先駆けになってほしい」と期待した。全国ハイヤー・タクシー連合会や全国自治体ライドシェア連絡協議会の代表者らと共にテープカットし本格運行を祝った。

 登録ドライバーによるデモンストレーション運行があり、「南砺市有償運送車両」と書かれたマグネットを貼った車に市民2人を乗せ、周辺を巡った。

 運行時間は木~土曜の午後5時から午前0時まで。利用料金はタクシーとほぼ同水準となる。

 6日から実証運行を行っており、市によると、登録ドライバーは3人いるが、現在までにライドシェアの配車はまだないという。