富山県の立山・天狗平(標高2300メートル)にある立山高原ホテルが、31日で営業を終了する。公立学校共済組合富山支部が主に教職員の保養所として運営してきたが、大幅な利用者の減少や従業員不足などで経営を続けられなくなった。建物を保有する県は、民間事業者に運営を委託する方向で検討している。

 21日の県議会教育警務委員会で、県教育委員会の五島直樹保健体育課長が火爪弘子氏(共産)の質問に答えた。

 立山高原ホテルは1971年のアルペンルートの開業後に増えた観光客に対応するため、75年にオープンした。同組合富山支部が運営し、2021年に建物の所有権が組合から県に移った後は、県から建物を無償貸し付けされる形で営業してきた。

 ピーク時は年間の宿泊者数が1万人を超え、教職員だけでなく一般の登山客らも利用。近年は新型コロナウイルスの感染拡大や24年元日の能登半島地震の影響で利用が減少し、21年は約3千人、22年と23年はそれぞれ約5千人だった。

 五島課長は営業終了後の対応について、民間事業者への運営委託を検討していると説明。同ホテルは緊急時の避難所としての役割も備えていることから「宿泊機能の維持が重要」と述べた。