大相撲春場所13日目が21日、大阪市のエディオンアリーナ大阪であり、左膝靱帯(じんたい)断裂から4場所ぶりに復帰した元大関で西三段目21枚目の朝乃山(31)=富山市出身、高砂部屋=は7番相撲で東三段目筆頭の千代大牙(25)=大阪府出身、九重部屋=を寄り切り、7戦全勝で2度目の三段目優勝を飾った。5月の夏場所(東京・両国国技館)は幕下上位が濃厚で、成績次第では7月の名古屋場所で関取復帰が見えてくる。 

 朝乃山は得意の右四つから万全の相撲内容で元大関の貫禄を見せた。取組後は「ほっとしている。1場所ずつ膝の状態や相撲内容を良くしていきたい。来場所からが勝負になる」と語った。

 夏場所は十両を狙える幕下上位まで番付を上げる見通し。仮に幕下15枚目以内で7戦全勝で優勝すれば、名古屋場所で再十両となる可能性が出てくる。

 朝乃山は、不祥事による長期出場停止から西三段目22枚目で復帰した2022年7月の名古屋場所で優勝し、9月の秋場所で東幕下15枚目に上がった。

<一問一答>朝乃山「毎日が緊張、支えに感謝」

 -優勝が懸かった7番相撲はどんな気持ちで土俵に立った。

 「土俵に上がると、いつも通りの温かい拍手と歓声をいただいた。ここまで来られたのは自分の力だけではない。支えてくださった方に感謝して相撲を取った」

 -左膝のけがから復帰した今場所を振り返って。

 「結果が求められていた中で、けがなく終われたことが一番良かった。相撲がある前日や当日は良い緊張感で迎えられていた。毎日が緊張だった」

 -三段目での取組はどうだった。

 「三段目の顔触れが以前と変わっていて、何をしてくるか分からない。怖い気持ちがあった。前に出て自分の相撲を取り切ることだけを考えていた」

 -富山のファンも関取復帰を望んでいる。今後の意気込みを。

 「来場所からまた勝負だと思う。幕下15枚目に入れば、(再十両の時期が)だいぶん違ってくるだろう。ただ、入っても入らなくても、1場所ずつ膝の状態や相撲の内容を良くしたい」