富山名産「ますずし」の歴史と、味の多彩さを知る「ます寿し食べ比べツアー」が11日、富山市中心部で開かれた。富山市民プラザが主催するまち歩き企画の一つで、参加者10人は市内5店のますずしを味わい、富山の食の魅力を再認識した。
ますずしは江戸時代半ば、富山藩士で料理人だった吉村新八が3代目藩主・前田利興にアユのすしを献上。さらに利興が将軍吉宗に献上して称賛を受けたのが始まりとされ、その後、アユの代わりにサクラマスを使うようになったといわれる。明治時代に駅弁として売り出されたことで全国にその名が広まり、現在は県内に約50店、同市内に約30店のますずし店がある。
参加者は多くの店が軒を連ねることから、ますずしストリートとも呼ばれる同市七軒町などを散策。「まつ川」(同市旅籠町)に立ち寄り、店員から商品のこだわりなどを聞いた。
同プラザでは5店のますずしを食べ比べ、レア感や肉厚、酸味などを5段階で評価し、自分なりの順位をつけた。神奈川県出身で昨年富山に引っ越してきた片山裕子さんは、富山に来るまでますずしを知らなかったと言い「店ごとに味が違う。それぞれおいしくてびっくりです」と感激していた。同プラザは今後もツアーを開催する予定。