ウニの陸上養殖で富山県朝日町に進出することが決まっているウニノミクス(東京)は、5月から施設建設に着手し、2026年5月の操業開始を目指す。14人の新規雇用も計画している。11日の町議会本会議で寺西泉氏(青雲)の代表質問に、大谷和哉商工観光課長が同社の整備案を説明した。
ウニノミクスは、磯焼け対策で駆除したウニを漁業者から買い取り、独自の「畜養」システムで飼育する。朝日町に畜養施設3棟を順次建設し、年間360トンの出荷を見込む。ウニの陸上養殖施設としては世界最大規模の生産量となり、新たな富山ブランドを国内外に発信するとともに海洋環境の保全につなげる。
畜養施設は、同町浜草野で町が造成した土地に整備。ウニの飼育用水槽が並ぶほか、事務室や会議室が入る1棟目(延べ床面積2200平方メートル)を5月から建設し、26年1月の完成を予定する。同社スタッフが現地に入り、手続きや業者選定などを進めているという。
1棟目の操業開始で14人を雇用し、3棟のフル稼働時には20人に増員する計画。地元雇用に向け、町も支援する方針を示している。
同社は、大分県や山口県で手がける畜養事業でウニの地域ブランド化を図っており、朝日町でも町産品として出荷する構想がある。大谷課長は「町の新たな特産品として可能性が大きく膨らむ」と述べた。
本会議ではこの他、吉江昌宏(グループ22)、善田奈緒(未来)、清水眞人(一歩会)の3氏が代表質問した。