4月13日の大阪・関西万博の開幕を前に、日本国際博覧会協会(万博協会)の櫟(いちのき)真夏理事・副事務総長が10日、北日本新聞社を訪れ、「富山と関西の相互交流のチャンスになる場」と万博をPRした。
万博は、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)を舞台に半年間開かれる。櫟理事は、会期中に世界各国の経済人や観光客らが訪れるとし、「ビジネスチャンスの場となるだけでなく、万博をきっかけに大阪から富山を訪れる機会にもなる」と産業と観光両面に効果があると強調した。
会場内では、約160の国と地域などがパビリオンを出展するほか、さまざまなイベントが企画されている。県はすし関連のブースを出す。櫟理事は万博の魅力について「多様性」を挙げ、「一つの会場が小さな世界となり、伝統工芸やハイテク技術、食文化などが集まる。自分の関心に合わせて楽しめる」と語った。
パビリオン建設に県内企業が貢献 新田知事に紹介
櫟氏は10日、県庁で新田八朗知事と懇談し、県内企業がフィリピンとインドネシア、イタリアのパビリオン建設に携わっていることを紹介した。「一時だけの関係ではなく、ビジネスチャンスを広げてほしい」と期待した。
櫟氏は、木造建築設計などを手がけるATA(滑川市)が3カ国のパビリオンの設計に携わったと説明。関係者によると、このうちインドネシアのパビリオンについては、石川組(砺波市)と真栄工芸(富山市)が建設を担った。櫟氏は「万博を支えていただいている」と感謝した。
知事は「北陸新幹線の富山・金沢開業でこの10年、富山は完全に東京シフトが進んだ。関西とのつながりをもう一度強くしたい」と述べた。開会に合わせ、県内の別の企業が出展する物産販売ブースを訪ねる考えも示した。