富山県は2025年度、魚津市天神野新の金太郎温泉周辺で、地熱発電の導入に向けて具体的な場所や設備の絞り込みに入る。ワゴン車1台分程度の小規模な発電設備を想定している。27日の県議会で沢崎氏の質問に牧野裕亮企業局長が答えた。

 電気課によると、比較的低温の熱で発電できるバイナリー方式の導入エリアを探るため、24年度に市内13カ所でセンサーによる電磁探査を実施。金太郎温泉周辺の地下1500メートル付近に熱水がたまっている層があることが推定された。十分な湧出量も期待できるため、地熱発電の導入可能性があると結論付けた。

 200世帯程度の電気をまかなう小規模発電を想定する。周辺の住民や企業との調整を図りながら、魚津市などと協力して進めることも検討する。早ければ数年以内の導入を見込む。事業費として25年度当初予算案に1800万円を計上した。

 地熱発電を巡っては、県が15年度から約13億円を投じて立山カルデラでの導入に向けて調査してきたが、既存の技術で事業化は困難と判断している。