県木材研究所(富山県射水市黒河新・小杉)と東京理科大は、地震が起きた際に家の中で安全な空間を確保する「木質耐震シェルター」を共同開発した。住宅1階の居室や寝室に後付けする仕組みで、住宅全体の耐震改修工事よりも安価で素早く施工できる。広さ6畳で価格は100万円、1日で施工完了できることを目指しており、2025年度中に販売を始める計画。新田知事が会見で説明した。

 シェルターは県産スギの角材や鋼材を門のように組み上げる構造。鋼の棒をスギ角材の中に通し、強く引っ張って固定する「プレストレス技術」を、耐震シェルターとして全国で初めて採用した。水平方向の4トンの力に耐えられるという。

 能登半島地震では1981年より前の旧耐震基準で建てられた住宅の倒壊が目立ったが、耐震改修には多額の費用がかかる。県は金銭面の負担を抑えつつ、安全を確保できる対策として広めることを目指す。