県は、防災庁を軸に四つの政府関係機関の県内誘致を進めるため、部局横断のタスクフォース(特別チーム)を庁内に設置した。積極的な誘致活動に向けて体制を整える。新田八朗知事が4日の定例記者会見で明らかにし、「県庁を挙げて戦略的に推進する」と力を込めた。

 県は災害リスクの分散などを念頭に、防災庁と能登半島地震の復興局の設置を目指す。知事は会見で、特に誘致に力を入れる防災庁について石破茂首相に要望した際「(移転するとしたら)『支局』、『分局』という言い方だった」と明かした。

 この他、富山が再生可能エネルギーや水産資源に恵まれた環境であることを踏まえ、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と国立研究開発法人水産研究・教育機構の誘致にも取り組む。

 タスクフォースは知事直轄組織で、副知事2人がリーダーを務める。四つの政府機関に関連する部局で3チームをつくり、県内誘致による国や地域へのメリットを明確に打ち出す。この他にも誘致に適した機関がないか、検討するチームも設ける。

 誘致を進める庁内組織の設置を巡っては、自民党議員会の宮本光明幹事長が1月末、2025年度当初予算折衝の場で知事に提案していた。会見で知事は、誘致に向けた議論は1月から庁内で既に始めており、提案を受けて2月からタスクフォースの名称で活動するとした。

 知事は経済効果など、誘致が地方創生に寄与するかを問われ、防災庁と復興局については「富山が潤うか、というとそれは限定的だと思う」と話した。一方、研究系機関の移転は産業の発展や地域活性化につながるとの認識も示した。