パックご飯製造のウーケ(富山県入善町下飯野)は、災害時に役立つ非常食として、ライフラインが整わない被災地でも温かい白米を食べられる「防災フードボックス」を展開している。2024年の能登半島地震で支援提供した商品に被災者の声を反映し、収納と加熱の機能を持つ備蓄用品として開発した。

 防災フードボックスは横26センチ、奥行19センチ、高さ17センチ、重さ400グラム。県産米のパックご飯3食をセットした。同梱の専用発熱剤に水を注ぐと高温の蒸気が発生し、ふたを閉めたボックス内でパックご飯を温めることができる。

 同社は昨年2月、石川県内の避難所にパックご飯計4万食を届けた。電気や水道のインフラ環境が被災した現地では、パックご飯の調理もままならない状況を把握し、どこでも加熱できる便利な商品を目指して開発した。普段の食事に定期的に取り入れながら、食べた分だけ買い足していく備蓄方法「ローリングストック」の需要にも対応する。

 花畑佳史社長は「災害時に普段の生活と同じように行動できるかが大切。防災用品としてではなく、日常使いをしながら万一に備えてほしい」と話す。同社のオンラインショップで1セット2980円で販売している。