富山県立山町が町役場敷地内で整備してきた防災児童館複合施設「アカリエ」の完成式が10日、同所であった。防災と町の子育て環境整備のシンボルとなる施設で、屋内外に大型遊具を備えるほか、冬場は多目的ホールを遊び場として開放する。13日に一般向け内覧会、20日に一般利用を始める。
アカリエは町民会館跡地に整備し、鉄筋コンクリート2階建て延べ1497平方メートル。太陽光発電や地中熱空調などで、北陸の公共施設として初めて建物が消費するエネルギーを実質ゼロに抑える「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の認証を受けた。
ホールには可動式座席があり、最大350人を収容でき、昇降式ステージもある。総事業費は着工前の当初想定13億4400万円を上回る18億759万円。
防災面では災害時の職員の活動拠点やホールを避難所として活用。地下に下水を貯留でき、下水道損傷時もトイレが使える。旧児童館を移転した「こどもホーム」が入居。ホールはイベントなどで使用しない際にエアー遊具を設置し、子育て世代のニーズに応えた冬場の遊び場にする。
完成式には約40人が出席。舟橋貴之町長が「多くの皆さんに活用していただきたい」とあいさつ。地元園児と共にテープカットとくす玉割りを行った。園児は一足早く屋内遊具を楽しみ、歓声を上げていた。
内覧会は午前10時~午後3時、20日以降の開館時間は、ホールや屋内遊具が平日午前9時~午後6時、こどもホームが同午前10時~午後5時、土日祝日はいずれも午前9時~午後5時。