“県総”が歓喜に揺れた。最後まで試合を諦めず劣勢をはね返し、7日の松本戦でJ2昇格を決めたカターレ富山。「信じていた」「来季が楽しみ」。サポーターは感情を爆発させ、早くも2025年の戦いに向け期待の声も聞かれた。
富山のゴール裏には「昇格」と書かれた巨大な横断幕が掲げられ、悲願達成を待ち望んだ。しかし前半、大挙して訪れた松本の大応援団に押されてか2失点。上市町南加積小学校2年の碓井秀弥(ひでや)さん(8)は「後半早い時間帯に追い上げてほしい」と話し、同町出身で同じ名字の碓井聖生のタオルを掲げてエールを送った。
試合終盤、願いは届きエースが敗色ムードを振り払う。碓井は後半残り約10分で1点差に迫るゴール。富山大4年の板坂柚果(ゆずか)さん(23)=富山市清風町=は「得点が入ってから応援のボルテージが上がった」。
気温約5度の寒空の下、スタンドからの声援に一段と熱がこもる。追加タイムに再び碓井の同点弾が決まると、観客は総立ちに。そのまま試合が終わり、サポーターたちはハイタッチを交わして祝福し合った。
同市飯野の会社員、高田雄介さん(40)は「ドラマが起こると信じていた。改めてサッカーは面白い」と涙。同市婦中町夢ケ丘の主婦、岩田恵さん(49)は得失点差で昇格を逃した昨季に触れ「悪いイメージが頭をよぎったが、『今年こそ』と願っていた。感激」と声を弾ませた。
日本フットボールリーグ(JFL)時代からのファンという同市本郷町の佐々木康之さん(69)は「久しぶりにJ2での試合が見られる。今からわくわくしている」と来季を心待ちにした。