第103回全国高校サッカー選手権県大会最終日は9日、県総合運動公園陸上競技場で決勝を行い、龍谷富山が富山東に2-0で勝利し、初の栄冠に輝いた。龍谷富山は12月28日に開幕する全国高校選手権に県代表として初出場する。
龍谷富山は前半13分、DF村西がCKのこぼれ球を押し込んで先制した。同27分にはDF海老が頭で2点目を入れた。富山東はFW吉崎や主将のMF松本が果敢にゴールに迫ったが、チャンスを生かし切れなかった。
全国高校選手権は国立競技場で開幕し、各都道府県の代表48校が頂点を競う。県大会は北日本新聞社後援。
創部21年目、悲願の全国へ
20年前に龍谷富山が初めて挑んだ選手権県大会。初戦の相手は、この日の決勝と同じ富山東だった。初心者を寄せ集めたチームは0-8で敗退。惨敗で始まった全国への挑戦は、創部21年目にようやく結実した。
殊勲は2年生のDFコンビだ。前半13分、CKの場面で、村西が相手GKがキャッチし損ねたボールを押し込んで先制。同27分には海老がFKを頭で合わせて追加点を入れた。海老は「絶対ボールが来ると思って飛び込んだ。うれしい」と破顔した。
下馬評は決して高くなかった。個々の能力は高いが、チームがまとまらないことも多く、県リーグでは中位にとどまる。主将のFW横山は「波がある」と表現する。
その中でも粘り強く部員に向き合ってきたのが、創部当初から指揮する濱辺哲監督だ。身なりや態度まで事細かく指導してきた。今大会は勝ち上がるごとにチームワークが良くなってきたといい、「この数週間で頼もしくなった」と部員の成長を実感する。
外部コーチの力も大きい。今年6月、カターレ富山でプレーした松原優吉さん(36)と窪田良さん(33)が指導陣に加わった。横山は「プロの言葉は説得力がある。刺激になっている」と語る。
県王者への道のりを、濱辺監督は「思ったより時間がかかった」と感慨深げに振り返る。1カ月半後に迫った全国大会に向け、横山は「富山のサッカーを見せる。まずは1勝したい」と意気込んだ。(呉人野々子)