3日に行われた「富山マラソン2024」のフルマラソンは、男子は佐藤直也(26)=ミライユウ、入善町=が2時間19分20秒、女子は清田真央(31)=スズキ、静岡県=が2時間45分9秒でそれぞれ初優勝した。男子の2位は杉保滉太(スズキ、静岡県)、3位は西川朋秀(岐阜陸協、岐阜県)が入った。女子は大峽(おおば)英里(Y.G.R.C、魚津市)が2位で県勢トップとなり、太田美紀子(京都炭山修行走、京都府)が3位だった。
佐藤「調子良く自然と前へ」
両手を力強く突き上げながらゴールテープを切り、晴れ晴れとした表情を見せた。地元の市民ランナーとして4回目の出場となった佐藤が、2位に7分39秒の大差をつけて初優勝。「優勝を1年前から目標にしてきたのでうれしい」とほほえんだ。
序盤から、実業団の選手を含む数人の集団の中でレースを引っ張り、約20キロ地点の新湊大橋で抜け出した。その後も快調にラップを刻み、後続を突き放した。スタート前は30~35キロ地点でスパートをかけるプランだったが、「走り始めると、調子が良すぎて自然と前に出ていた」と振り返る。
昨年の大会では15キロ地点で脚をつり、48位に終わった。悔しさから今年の優勝には強い思いがあった。入善中学校で教諭を務める傍ら、毎晩、地元の陸上競技場で走り込んできた。
今夏の北海道マラソンでマークした2時間21分台の自己ベストを、大幅に更新。ゲストランナーの藤原新さんからは「もっとタイムを伸ばせるよ」と声をかけられ、自信を深めた。次回は12月の福岡国際マラソンに出場予定で「さらにタイムを縮めたい」と話した。(小幡雄也)
清田「次につながるレース」
日本代表経験者の力を見せつけた。清田はスタート直後から独走を続け、2位と8分近くの差をつけて圧勝。フルマラソンでは初めて頂点に立ち、「次につながるレースになった」と笑みを見せた。
招待選手として富山マラソンに初挑戦した。2017年の世界陸上で日本勢トップの16位になった経験を持つなど実力は抜けており、あとはタイムとの勝負だった。
狙ったのは、磯野あずささん(富山市出身)が持つ大会記録の2時間38分46秒を切ること。だが、海側からの強い向かい風や新湊大橋の勾配など富山マラソンならではの洗礼を浴び、終始ペースを上げきれなかった。「まだまだ弱さがある」と悔やんだ。
自己ベストは7年前、愛知の名古屋ウィメンズマラソンで出した2時間23分47秒。「今はだいぶ遠ざかっている。もう一度そこに挑戦して、結果を出したい」。富山でつかんだ栄冠を、再び飛躍するための足がかりにするつもりだ。(呉人野々子)