祭りや獅子舞が盛んな富山県の射水市新湊地域で、新湊中学校の生徒による「新湊郷土芸能クラブ」が新たに誕生した。地域行事で獅子舞やお囃子(はやし)を披露し、伝統文化の魅力を広く発信する。昨年12月には新湊地域の「放生津八幡宮祭の曳山(ひきやま)・築山(つきやま)行事」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。地域が誇る祭りに対する学びも深め、若い世代で地元の伝統芸能を盛り上げる。
新湊中学校では長年にわたり、生徒有志が学習発表会で獅子舞を披露してきた。学校が主体となってその都度希望者を募り、教員が舞い方を指導していた。
一連の取り組みを発展させた形で、昨年10月に「新湊郷土芸能クラブ」を設けた。生徒から継続的な活動を望む声があったことに加え、教員の負担軽減につなげようと、学外のクラブとして発足。1、2年生23人が所属し、越中祭青年会新湊支部長の五十嵐友輔さん(26)から指導を受けている。
地域の芸能祭や式典などに出演し、生徒自ら創作した獅子舞の演目や、放生津八幡宮祭の曳山行事のお囃子を披露している。同祭は築山行事とともにユネスコの無形文化遺産に登録され、この祭りをはじめとする地元の伝統文化を学ぶ勉強会も開いていく。
五十嵐さんは、新湊放生津小学校に祭りサークルがあることを挙げ「子どもの頃から祭りに継続して触れられる機会があるのはいいこと。地域の伝統をつないでいってほしい」と期待する。クラブ代表で2年の加治海誠さん(14)は「若い世代から地域の祭りを活気づけていきたい」と意気込んだ。