サティスファクトリーが向き合う、再生資材ニーズと資源循環実装の壁
株式会社サティスファクトリー(東京都中央区/小松武司)は、2025年10月30日~11月1日に開催された産業展示会「T-Messe2025 富山県ものづくり総合見本市」にて、アップサイクル展示に使用される什器の素材提供に携わりました。昨今、環境配慮型の製品開発やイベント開催が行われる一方、「使えるはずの資材を、必要なときに集めること」は容易ではありません。本取り組みでは、展示制作に協力した株式会社家’s(富山県高岡市/伊藤昌徳)への廃アクリルパーテーション販売を通じて協力しました。

写真:展示の様子(撮影・提供:富山県)
背景|資源循環を「構想」から「実装」へつなぎたい
設立30年を迎えたサティスファクトリーは、サーキュラーエコノミー推進を強化する自治体や企業に伴走し、構想段階にとどまりがちな資源循環を、具体的な活用につなげる支援に取り組んでまいりました。その連携先のひとつである家’sの伊藤氏からの依頼に応える形で、アップサイクル展示の什器にふさわしい素材の調達から連携が求められました。
製造業を中心とした企業や機関が出展する北陸最大級のこの展示会は、富山県をはじめとする関係機関で構成された実行委員会が主催しています。その中でも、本展示は富山県の「ものづくり産業サーキュラーエコノミー推進事業」のもと実施され、地域資源の価値をデザインの力で差別化していくという意志が込められています。
概要|富山県内の端材・廃材を活かすアイディア展示
富山県内で排出される「 金型加工切削粉・ワイヤー」や「耐圧樹脂ホース端材」といった様々な端材や廃材に活路を見出すために、クリエイティブの力で新しい可能性を示す本展示。その空間を構成する要素として、什器の在り方までも再定義する表現が試みられました。廃アクリルパーテーションの特性を活かしたショーケースの設計は、シンプルながら存在感を放つものでした。
環境に配慮した素材としてニーズが高まる廃棄物は、必要なタイミング・量・状態で確保することが難しいという現実があります。そうした構造的課題を前提に、実装を阻害しない廃材活用の可能性を示す機会となりました。
役割|廃棄物を束ねて資源化を可能にする
全国の廃棄物管理を通じて現場情報を束ねるサティスファクトリーは、排出事業者および産業廃棄物処理事業者とのネットワークを通じて、どの現場でどのような不要資源が発生しているかを把握しています。だからこそ、すみやかに必要量を取りまとめ、複数の排出元をつなぎ合わせ、条件に沿った素材提供を実現しました。
担当者の声
「県内ではすでに廃棄した企業が多く、展示物の多くをアップサイクル材で魅力的に構成するというコンセプトを実現することができました。」
‐富山県総合デザインセンター デザインディレクター 岡 雄一郎 氏
「2-3週間という短い期間にも関わらず、素材調達に尽力頂き、とても助かりました。」
‐株式会社家’s 伊藤 昌徳 氏
「大量廃棄のピークが過ぎ流通量が減る中、サイズ・色・状態の全要件を満たす廃材を調達・ご提供でき、無事に貢献ができたことを大変嬉しく思っております。」
‐株式会社サティスファクトリー 環境ソリューション営業本部 市場開発部 横山 滉人
展開|持続可能な未来を、仕組む
「環境社会創造企業」を掲げるサティスファクトリーは、廃棄物のポテンシャル調査や用途設計、関係者間の調整を通じて、資源活用を実装段階へ導く支援を強化します。これは、排出事業者が抱える資源を地域に還元するための出口戦略であり、国内で発生する資源を国内で循環させることにこだわった取り組みの一例でもあります。
本展示での取り組みは、そうした国内循環を前提とした資源活用の考え方が、実際の現場で活かされた一例と位置付けられます。
一方、自治体では、焼却炉の老朽化や施設運用における余力の低下といった事情に加え、エネルギー価格の変動や廃棄物の性状変化、分別・運用の高度化などにより、廃棄物処理にかかるコストが年々増加しています。このような状況下、自治体や事業者が資源循環に向けた連携を継続的に進めていくことは容易ではありません。
そうした現場の実情を前提に、排出事業者・処理事業者・活用の担い手を結ぶハブとして、地域ごとの実情に寄り添い、持続可能な仕組みづくりに努めてまいります。
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企業概要

企業名: 株式会社サティスファクトリー
所在地: 東京都中央区八丁堀3-12-8 HF八丁堀ビルディング6F
設立: 1996年11月13日
代表者: 代表取締役 小松 武司
事業内容: 廃棄物マネジメント事業、環境コンサルティング事業、再資源化プロダクト事業
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