富山県上市町中心部の空き店舗などの活用を広げるイベント「カミノイチ」の初の冬編が6日、まちなか一帯で始まった。カフェやワークショップのほか、ブームになっている自主出版の本を扱う書店などに多くの人が訪れた。今回の催しに合わせ、空き店舗を活用して菓子と総菜を扱う店もオープンし、にぎわいを見せた。訪れた人たちは雪化粧した剱岳を仰ぎながら町歩きを楽しんだ。7日まで。
まちなかを歩きながら、町全体の魅力に触れてもらおうと、運営委員会が主催した。冬編は6、7の両日に計40以上の事業者が15カ所の空き店舗などを利用して出店する。
イベントに合わせ、お菓子と総菜を扱う「Comet(コメット)」(西中町)も開業。店主の元町職員の百塚由紀さん(37)はにぎわいや交流拠点づくり、食への関心の高まりから自然派なものを扱う場所を自分でつくれないかと準備してきた。自家農園で栽培した野菜を使った弁当やクッキーなどを販売した。イベント後も営業を続ける。
熊野町の古民家を改装したゲストハウス「metate(めたて)」では、2日間限定で個人や少人数の有志で自主出版する「ZINE(ジン)」を扱う書店が集った。4月から町で絵本作家やイラストレーターとして活動する前田花さん(31)は、独特の優しい世界観を表現した絵本やその原画を展示販売。孔版印刷の一種「シルクスクリーン」の体験会も人気を集めた。
7日は1級建築士の資格を持つ町職員の案内で空き家や空き店舗を見学するツアーもあり、まちなかを盛り上げる。カミノイチは四季ごとに開催し、今回が4回目。