ニューヨークを拠点に活躍したアーティスト、キース・ヘリング(1958-1990)を紹介する世界唯一の美術館である中村キース・ヘリング美術館(山梨県・小淵沢)は、ナショナル・カミングアウト・デー(10月11日[土])に合わせて、館内で「ナショナル・カミングアウト・デーのためのポスター」を展示するほか、関連トークイベント映像の上映を行います。
さらに館外では、「KANAZAWA PRIDE WEEK 2025」にて販売用ポスターの展示を実施します。多様な生き方や自己表現を肯定し、互いを尊重し合うヘリングのメッセージを、さまざまなかたちで発信していきます。

「私はゲイであることを誇りに思います。あらゆる肌の色の友人や恋人がいることを誇りに思います。」
――1987年3月28日『キース・ヘリング・ジャーナル』より
10月11日の「ナショナル・カミングアウト・デー」は、1988年に心理学者であるロバート・アイクバーグ博士とLGBTQ+権利活動家のジーン・オリアリーのもと、性的指向や性自認を公言する人々を祝福する国際的な記念日として定められました。現在その理念は世界中に広がり、毎年各地でLGBTQ+コミュニティに関する大規模な祝典などが開催されています。
中村キース・ヘリング美術館では、オープンリー・ゲイのアーティストとして活動したヘリングの遺志を受け継ぎ、作品展示やイベントを通して、コミュニティへの支援を続けています。
1. 「ナショナル・カミングアウト・デーのためのポスター」公開
キース・ヘリングは性的少数者への差別や偏見が色濃く残っていた1980年代に、自身がゲイであることを公表して活動しました。今回展示する「ナショナル・カミングアウト・デーのためのポスター」は、1988年にこの記念日の発足にあたり制作された作品です。英語圏では「クローゼットに閉じこもる」とも表現されるLGBTQ+であることを隠した状態から一歩踏み出し、カミングアウトしてありのままの自分で生きることを色鮮やかに祝福する本作は、ナショナル・カミングアウト・デーのシンボルとして今日までコミュニティの人々に勇気を与え続けてきました。今回展示するポスターは、在ニューヨークのキース・ヘリング財団より今年新たに寄贈を受けた貴重な資料です。時代を越えて届くヘリングのメッセージを体感いただけます。
展示期間
2025年10月1日(水)~11月21日(金)

2.オンライン座談会のアーカイブ映像を館内で公開
ポスター展示に併せて、2024年2月に実施したオンライン座談会「いつも見かけるトイレのマークに違和感を感じる?感じない?」のアーカイブ映像を館内のオープンスペースにて上映します。当館では昨年、館内の男女に分かれたトイレを改装し、ジェンダーを問わず使うことのできる全個室のオールジェンダートイレへと一新しました。この改装に伴い行われたオンライン座談会では、クィアな視点から世の中の違和感を問いかけ、その先を妄想するコレクティブ「元違和感」のアンドロメダ、ジェレミー・ベンケムン、ユリ・アボの3名をゲストに迎え、当館スタッフとともにトイレを軸にジェンダーとセクシュアリティについて語り合いました。
当館が目指す「インクルーシブな新時代の美術館」の実践例としてご覧いただけます。

3.金沢でのレインボープライド連動企画:販売用ポスター展示
2025年10月3日(金)から5日(日)に開催された 「KANAZAWA PRIDE WEEK 2025」 において、キース・ヘリングのグッズを通じてLGBTQ+コミュニティに対する理解を促すブースを出店。同期間中は金沢市中心部・竪町商店街から徒歩1分にある築100年以上の金沢町家をリノベーションしたコミュニティスペース〈金沢にじのま〉でも、ヘリングの販売用ポスターを展示(10月3日[土] ~ 12月31日[水])しています。

金沢にじのまは、LGBTQ+をはじめとする多様な人々が、自分らしく安心して集うことのできる場所です。ヘリングは、自身のアートを通じて、愛・平等・自由をテーマに、人種やセクシュアリティの壁を超えてすべての人々が尊重される社会を願い続けました。本イベントでは、LGBTQ+をはじめとする多様な人々への理解と連帯を込め、ヘリングの精神を来場者と共有します。
金沢にじのま
住所:〒920-0985 石川県金沢市池田町三番丁21-2
開館時間:11:30~18:00(ラストオーダー 17:30)
※金・土曜日は21:00まで営業
定休日:火・水曜日
近年の当館のLGBTQ+コミュニティ支援の取り組み事例
2025年・プライド月間にあわせた5つの取り組みを実施
-クィアイベント「fancyHIM」への協力
-マリオット・インターナショナルでのLGBTQ+研修実施
-「山梨レインボープライド」への協賛
2024年
・ナショナル・カミングアウト・デー企画パネル展示
・Beyond magazine「DE&I の“E (Equity)”と“I (Inclusion)”に自分軸を。」
・オンライン座談会「いつも見かけるトイレのマークに違和感を感じる?感じない?」開催
2023年
・プライド月間企画「中村キース・ヘリング美術館 クィア・フィルム上映会」開催
2022年
・W大阪にてプライド月間に合わせたデコレーションルーム開催
当館の社会活動についてはこちらをご覧ください:https://www.nakamura-haring.com/timeline/
中村キース・ヘリング美術館について

2007年4月、当館はニューヨークを拠点に活躍したアーティスト、キース・ヘリングを紹介する世界で唯一の美術館として、八ヶ岳の麓に位置する小淵沢に開館しました。コレクターであり館長を務める中村和男によって蒐集されたおよそ300点の作品のほか、記録写真や映像、生前に制作されたグッズなど700点以上の資料を収蔵。国際的建築家である北川原温により設計された建築は、傾斜した地形に沿って「闇から希望へ」というテーマのもとにキース・ヘリングの作品を体感できる場であり、毎年異なるテーマによるコレクション展や現代を代表するアーティストを迎えての企画展などを開催し国内外から多くの来館者を迎えています。
さらに、当館はコレクションを公開する場としてだけではなく、アートを通して社会に問題提起を行い続けたアーティスト、キース・ヘリングの作品と遺志を引き継いだ活動を行うことを目標に、国際児童絵画コンクールの開催やHIV/エイズや感染症、SDGsやLGBTQ+に関すること、戦争と平和や環境問題についての啓発活動を展示やイベント、YouTubeやインスタグラムを活用したweb上での発信などさまざまな形で行い続けています。
公式サイト:https://www.nakamura-haring.com
Instagram:https://www.instagram.com/nakamurakeithharingcollection
Facebook:https://www.facebook.com/nakamuraharing
X:https://twitter.com/nakamura_haring
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