富山県内各地で24日、クマの目撃や痕跡の発見が相次いだ。いずれもけが人は確認されておらず、自治体などが注意を呼びかけた。中部森林管理局は同日、県内の国有林でクマの餌となるブナの実が全域で凶作だったとの調査結果を発表した。
同日に目撃・痕跡情報が寄せられたのは、富山、黒部、砺波、南砺、立山の5市町。富山市万願寺では、ふんやカキの木に登った跡があると住民から連絡があり、市職員と猟友会が現地で痕跡を確認。同市婦中町外輪野では1頭の目撃情報が寄せられた。同市の2件はいずれも、人の活動が活発でクマが本来生息していない地域「ゾーン3」だった。
中部森林管理局による国有林の調査は、8月中旬から9月中旬にかけて実施。ミズナラは県東部で不作、西部で凶作だった。コナラは対象となる4本以上の調査ができず、評価できなかったとした。
県もブナ、ミズナラがそれぞれ凶作、不作と判断しており、平野部でもクマの出没が増える恐れがあるとして、今月上旬から今年2度目の出没警報を出して厳重な警戒を求めている。