プロ野球・日本海リーグの富山GRNサンダーバーズは15日、富山市民球場で、石川との今季最終戦に臨み、8-1で七回コールド勝ちして後期優勝を決めた。4連勝で最終成績は12勝8敗。今季は前期と後期とも制する「完全優勝」を達成し、総合優勝も同時に決まった。25日から独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップ(GC)に出場する。

 富山は二回、先頭の三好が右中間へソロ本塁打を放ち先制。5-1で迎えた七回は1死一、二塁から瀧本が3点本塁打を放ち、試合を決めた。

 投げては先発マシューが3回、2番手瀧川が2回を完璧に抑えた。

 上原茂行監督は「選手たちは粘り強くシーズンを戦ってくれた。グランドチャンピオンシップに向けて不安はない」と話した。

 グランドチャンピオンシップは栃木県で開催され、富山は26日に初戦となる準々決勝で、栃木ゴールデンブレーブス(開催地枠)-堺シュライクス(さわかみ関西独立リーグ)の勝者と対戦する。

三好、流れ呼ぶ先制弾 2季連続三冠王

 目が覚めるようなライナー性の打球が右翼席に飛び込んだ。総合優勝が懸かる大事な一戦で、4番三好が流れを引き寄せる先制アーチ。「なんとか(塁に)出ようと打席に立ち、いい結果になった」と振り返った。

 二回、先頭で打席に入り、追い込まれた5球目。「今季、内角を攻められ凡退していた」と狙い球を絞った。狙い通り、内角高めに来た直球を一閃(いっせん)。ダイヤモンドを一周し、総立ちのナインに迎えられた。

 この本塁打で通期8号とし、リーグトップタイに並んだ。その後の2打席も安打を放つ猛打賞の活躍。打率、打点、安打数のいずれもリーグトップとし、2年連続となる通期での三冠王と最多安打に輝いた。

 今季は日本野球機構(NPB)入りを見据え、外野から内野へ転向。開幕直後は守備だけでなく、持ち味の打撃でも苦しむ時期があった。「監督らから打撃フォームの指導を受け、徐々に状態を上げられた。心は苦しかったが、常に全力でできたことが奏功した」と語る。

 チームは日本一を懸けた戦いに挑む。「出るからには優勝。勝たせる一本を打ちたい」。頼れる主将がその打棒で頂点へと導く。(倉谷亘)

30回戦(富山17勝12敗1分け、富山市民)
石 川 000 001 0 =1
富 山 010 040 3x=8
(7回規定によりコールドゲーム)
(石)藤井、是沢、黒野―森本
(富)マシュー、瀧川、小笠原―シン
[本]三好、瀧本(以上富)
▽盗塁 三好▽失策 倉知、東、三谷、瀧本▽暴投 是沢
▽試合時間 2時間