富山県は8日、県民会館で野生動物被害防止対策会議を開き、今秋はクマが平野部でも大量出没する可能性があるとして、各自治体の担当者らに注意と対策を呼びかけた。

 県森林研究所の職員が、クマの餌となるドングリ類の調査で、今年はブナが2020年以来5年ぶりに県全体で凶作となり、ミズナラとコナラは不作だったと報告。大量出没した19年などと比較するとミズナラの作柄は良いものの、「準大量出没年」となった20年と同様の状態で、山裾の集落を中心に出没に警戒する必要があるとした。

 県自然博物園ねいの里の間宮寿頼館長補佐は、カキなどの誘因物ややぶの除去を進めるよう呼びかけた。

 県の担当者は、1日に始まった市街地での緊急銃猟制度や出没時の対応について、マニュアルの作成や連絡体制の確認を求めた。