能登半島地震の被害が大きかった富山県氷見市内で解体される家屋から使える部材を取り出し、有効活用したい人との橋渡し役を務める団体「氷見古材ノットワーク」が16日、同市中央町の旧松屋会館で古材販売会を開いた。販売会は17日も開く。メンバーは「被災した人の思いを引き継ぐためにも、古材の良さを知ってもらうためにも、見に来てほしい」と呼びかける。

 古材ノットワークは地元住民や建設会社、東京都立、東京科学、富山の3大学で建築を学ぶ学生らがメンバー。販売会は7月に続き2回目で、約15軒の被災家屋から取り出した板材や建具、欄間などを並べた。板材は500~2万円で、建具類の価格は相談に応じる。

 学生代表で東京都立大大学院2年の国本春樹さん(24)は「古民家の貴重な材や優れた意匠の建具も多い。使い方に悩む人は相談にも乗る」と話す。

 メンバーは今後も定期的に販売会を開く考えで、富山大大学院1年、黒山真樹さん(23)は「活用の提案として自分で椅子や机を作ることも考えている。救い出した古材を住んだ人の思いと共に次の人へ引き継ぎたい」と話している。