第23回全国中学校ヨット選手権大会の最終日は3日、射水市の県新湊マリーナ沖で行われ、団体は富山県勢の射北(射水)が33ポイントで準優勝した。初日から首位に立っていた稲毛国際(千葉)が41ポイントで初優勝した。個人の男女総合順位は、OP級の氏家琉星(高岡・志貴野3年)の3位が富山県勢最高だった。
最終日はOP級、ミニシングルハンダー級、シーホッパー級SRの3クラスで各2レースを実施。2日のレース結果と合わせ、男女別と男女総合の順位をそれぞれ決めた。団体戦は5人以上参加すれば得られるポイントと個人の男女総合順位に応じたポイントなどを合わせ、学校対抗で競った。
団体は、射北が前日より稲毛国際との差を縮めたが、及ばなかった。個人の男女総合はOP級の峯希心(のぞみ)(射北2年)とミニシングルハンダー級の松田怜也(同3年)が5位だった。
競技終了後に表彰式があり、県セーリング連盟の八嶋浩久会長らがカップや賞状を贈った。
4年ぶりの県内開催で市制20周年記念大会となった今回は10都県から21校、75人がエントリーした。全国中学校ヨット選手権大会連絡協議会、県セーリング連盟主催、北日本新聞社共催。
射北、逆転目指し攻めの走り
団体で前日2位からの逆転優勝を目指した射北。追い上げは及ばなかったが、準優勝で地元開催の意地は見せることができた。主将の松田怜也は「練習してきたことを出せた。後悔はない」と充実した表情だった。
松田はミニシングルハンダー級に出場し、1レース目を男女総合9位で終える苦しい立ち上がりだった。それでも2レース目はスタートの場所をより風上に修正。風が吹いたことも有利に働き、4位と立て直した。
奮闘を見せたのはOP級の峯希心だ。「逆転のために総合順位を上げないと」と、常にコースの最短距離を狙う攻めの走りで、初日より順位を一つ上げた。チームメートがライバルの舟をマークするなど団体戦ならではの作戦も奏功した。
峯は「成長できたことが多かった。来年につなげたい」と前を向いた。(倉谷亘)
氏家「収穫あった」
個人の男女総合で県勢最高位となった志貴野の氏家琉星は「冷静さを保てた。足りない部分もあったけど、収穫はあった」と振り返った。
3日は1レース目の前半で2位に付けた。迎えた後半、前の走者が風の弱い位置を取って速度が落ちたのを見逃さず、一気に舟を走らせ1位をもぎ取った。
横浜市で育ち、父の転勤で今年4月に高岡市に引っ越した。全中ヨットには初出場。普段は一緒に練習する射北の選手らとも競い合った。
ヨットの魅力は「風を読んで走り方を工夫するところ」と話す。今後の目標は11月に控える全国大会で、「優勝したい」ときっぱり。新天地の海でつかんだ手応えを生かすつもりだ。