富山県高岡市小馬出町の商業施設「山町ヴァレー」でネイルサロン「C+(シープラス)」を営む森川知波さんは昨夏、アスリートネイルトレーナーの資格を取得し、さまざまな競技で活躍する選手の爪のケアに取り組んでいる。スポーツのあらゆる場面で爪は関わりが深く、「選手に寄り添ったケアやサポートをしたい」と意気込んでいる。
森川さんは小学生の頃からバレーボールに打ち込み、富山大の人間発達科学部で地域スポーツコースに在籍した。交流サイト(SNS)でアスリートを対象にしたネイルケアの存在を知り、「試合で勝つ手助けになるかも」と2024年からオンラインや東京で開かれた講座を受講した。昨夏、試験に合格し、アスリートネイルトレーナーの資格を取得した。
全8回の講座内容は爪の構造に加え、医学や食学なども含んでおり、総合的にアスリートをサポートする知識を習得した。
利用者には富山大の後輩で、今年6月に日本代表としてトライアスロンの世界選手権に挑んだ中山和哉さんや高岡商業高校の野球部員らがいる。森川さんはカウンセリングを大切にし、選手の希望に添って施術している。
中山さんは昨年11月に足の親指の爪が剥がれ始めたため来店した。森川さんは爪の一部を削るなどの施術を行い、数カ月後に新たに生えてきた爪をジェルで補強。踏ん張りが利くよう工夫した。その後、国内のレースで好タイムを出せたとの報告も受け「うれしかった。この仕事を続けたいという気持ちになった」とやりがいを口にする。
目標は日本人選手の爪のケアを担当し、五輪に同行すること。「まずは多くのスポーツ選手に爪の重要性を知ってもらい、ネイルケアを利用してもらいたい」と話す。