能登半島地震で被害を受けた富山城址公園の復旧工事が8月で完了するのを記念したイベント「城彩(じょうさい)」が、同じ月の23、24日に開かれる。富山県内の女子学生4人でつくる「城彩四重奏」が催しのアイデアを寄せて準備を進める。メンバーたちは「来場者に忘れられない夏の思い出を届けたい」と意気込んでいる。

 城彩四重奏は富山大都市デザイン学部2年の田中七帆さん、人文学部2年の中村摂(せつ)さん、工学部2年の永田夕維(ゆい)さん、富山高専5年の松井彩音さんの4人でつくる。イベントを主催する指定管理者「富山城址公園パークマネジメント共同企業体」が若者の柔軟な発想を求めて学生に協力を求め、4人が名乗り出た。

 千葉県出身の永田さんは「県外から来たからこそ知った富山の魅力を県民に再認識してもらえるようなイベントにしたい」と張り切る。

 テーマは「あの夏」。一人一人の記憶の中にある夏に戻れるような空間を演出したいという。伝統的な盆踊りに現代の音楽とダンスを融合した「Bon Dance」をはじめ、公園シネマや気球試乗体験を用意し、まちににぎわいを呼び込む。

 22日夜に富山市総曲輪のカフェバーで「Bon Dance」の練習会を開いた。4人は、振り付けを考案した富山大のダンスサークル「Bibi」代表の柴垣紗愛(さら)さん(人文学部2年)と佐藤千晴さん(同)とともに、来場者に体験してもらう踊りをチェックした。佐藤さんは「記憶に残る催しにしたい」と笑顔を見せた。

 復旧工事は、8月中旬に芝生広場近くのトイレや生け垣などの修復が完了すると、城址公園の全エリアが利用可能になる。イベントは芝生広場一帯で開く。入場無料。