通信制のAOIKE高校南砺福光キャンパスの生徒たちが24日、能登半島地震の被害が大きかった富山県氷見市で、公費解体される被災家屋から使える部材を取り出す「古材レスキュー」に取り組んだ。生徒たちは「被災した人たちの役に立ちたい」と作業に汗を流した。南砺福光キャンパスを中心に、今後全国300人の生徒が連携して古材の再利用を進める。
AOIKE高校の教員で、以前から古材レスキューに携わる吉田英文さん(39)=氷見市中央町=が、生徒が復興に関わってほしいと発案。取り組みは三菱みらい育成財団の助成事業に採択された。
この日は初のレスキュー活動で、生徒7人が参加。同市北大町の明治時代に建てられた古民家の蔵から、建具や床材などを運び出した。尾上陸さん(1年)は「木は何にでもリサイクルできるので大切にしたい。古材で野球部の道具箱を作ればいいと思う」と話した。
今後も南砺福光キャンパスの生徒が氷見で古材レスキューに協力。原宿キャンパスの生徒は首都圏にあるカフェなどで古材の活用調査をしたり、全国の生徒に再利用のアイデアをオンラインで寄せてもらったりする。
吉田さんは「高校生に被災地の現状を実際に見てもらいたい。古材がアイデア次第で有効活用できることも考えてもらう良き学びの機会にしたい」と話している。