今月、富山ガラス工房(富山市西金屋)の新館長に就任したガラス作家、高橋禎彦さん(67)が2日、同工房で、藤井裕久市長や工房の作家らと共同制作に臨んだ。富山ガラスのオリジナル色「越翡翠(こしのひすい)3色」を使い、富山ならではの薬瓶や市内のガラス関連3施設の連携をテーマにした大作に挑んだ。

 高橋館長はドイツ・ミュンヘン市で個展を開くなど世界的に活躍。造形力、技術力ともに高く評価されており、1995年から7年間、多摩美術大でガラス造形を教えた。今回、高い見識や技術力、国際的な求心力を生かし「ガラスの街とやま」をけん引してもらおうと招へいされた。2023年に同工房を訪れたことがあり、工房作家と共同で制作した作品を同市ガラス美術館で発表した。

 この日は、高橋館長と藤井市長らが、薬瓶の形をした高さ約45センチのボトルを吹きガラスで制作。ガラス美術館の土田ルリ子館長、富山ガラス造形研究所の本郷仁所長ら6人が越翡翠の「白緑」「紫苑」「青磁」の3色で作ったガラス玉を周囲に溶着し、各施設の連携をアピールした。作品は、後日、同工房などで一般公開される予定。

 高橋館長は「富山のガラスが盛り上がってきている。一作家としての目線を生かしながら人材を育成し、新しい形での盛り上がりを楽しみたい」と抱負を語った。藤井市長は「富山のガラスがさらにステップアップできるよう大いに期待している」と話した。

 制作に先立ち、高橋館長に委嘱状が交付された。